最後の土曜日

  • 9:00 2次病院の担当医師から電話が来た。りょくちゃはまだ生きている!
  • 12:00 面会可能時間となり病院へ。ICUのケージ扉を開けるとそこには弱り果てたりょくちゃがいた。

担当医師が席を外した瞬間、いきなりりょくちゃは咆哮し、鳴きながら突進してきた。それから急に甘えるように顔をもたせかけてきた。僕は体中を撫で回し、優しく呼んであげると弱いながらも尻尾を振ってくれた。そしてりょくちゃは目を開けたままゆっくり息を引き取った。病院に着いてからほんの20分ぐらいの出来事。りょくちゃはギリギリの体力でこの再会だけを信じ、生き耐えていてくれたのだ。担当医師が戻るまで冷たくなっていくりょくちゃをずっと撫でていた。涙が止まらない。誰にもりょくちゃがいなくなったことを伝えることができなかった。。。


  • 14:30 胃チューブを取り外し、体を綺麗にしてもらった。りょくちゃは今にも起き出しそうな穏やかな顔だった。
  • 15:00 あと少しで8歳3ヶ月となるりょくちゃが無言の帰宅。僕は自分の家で初めて家族を失ってしまった。無念。